本物のシルクハットとは。
皆さん、よくマジック等で見てご存じのシルクハットですが、実は
本物は至って少ないのです。
本物のシルクハットをご覧になっていない方々がほとんどです。
長い期間着用され続け、基本コンセプトは同じでもマイナーチェンジを
繰り返している帽子なので、本物の定義が難しいのですが、一般には
シルク(絹)のフラシ天(plush)を使ったトップハット(top hat)の
ことを指します。
当初はビーバーの毛を使っていました。
シルクハット(Silk top hatと表記します)はトップハットの一種です。
フラシ天・プラッシュ(plush)とはビロードの様に起毛加工を施した
生地のことです。
現在売られているシルクハットの殆どはファーフェルト(fur felt
ウサギの毛で作ったフェルト)や、ただのフェルトを使ったもの、
サテン生地(本しゅす)を貼った物です。
これらは、本来はトップハット(top hat)と呼ばれるべきものです。
では、何故本物のシルクハットが売られなくなったのかというと、絹の
生地をプラッシュ加工する機械が工場ごと火事で無くなり(生産できる
場所がフランスのこの一社だけだったそうです)、技術も同時に途絶えた
からだそうです。
シルクハットは光沢・艶が大切です。
明治時代の岩倉使節団の写真を見てもわかる通り、ピッカピカです。
本物のシルクハットは絹の毛並みが帽子を上から見て反時計回りに
流れています。
シルクハットの天辺は毛並みの光沢でレコードの様です。
側面のシルクの毛並も反時計回りに流れ、光を柱状に反射します。
シルクハットのブリム(帽子のツバ brim)はリボンで縁取られ、
リボンの端は鋭角に内側に倒れます、ボーラーハット(山高帽,
Bowler hat)も同様です。
ブリムの縁が真上に立っているものはホンブルグ(Homburg)です。
シルクハットは現在でもイギリスのLock&co帽子店がオーダーメイド
しています(現地へ行っての完全オーダーメイドです)。
シルクハットの内側です。
内側が黒色のシルク貼りの物もあります。
現在では、シルクハットの代用としてファーフェルトのタウンシェル
(Town shell top hat)を被る人が多いです。
fur felt Top Hat (LINCOLN BENNETT & Co)
クラウンの高さが、一般的にシルクハットよりも低いです。
fur felt Top Hat (LINCOLN BENNETT & Co)
帽子の重量もシルクハットに比べて重いです。
本物のシルクハットは持ってみると驚くほど軽いです。
頭に載せるものなので、重いと疲れます。
旅行などでシルクハットを持ち歩くときは、この様な専用ケースに
入れます(当然、自分では持ちません)。
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