イングリッシュブルーベル 本物という
イングリッシュブルーベルの花(English Bluebell ,Common bluebell)
花茎は湾曲し、花は一方向に垂れ下がります。
横山園芸さんのイングリッシュブルーベルです。
2021年4月11日 開花し始め。
花の形が細長く、カップが深いです。
花粉(葯)は白い色です。
毒草とは思えない美しさです。
キジカクシ科のイングリッシュブルーベルは有毒植物です。
本種に似た同じ科のシラー(Scilla)の学名はギリシャ語で「毒になる」
という意味です。
イギリスでは怖いおとぎ話で子供を怖がらせ、イングリッシュブルーベルの
咲く森へ近づかないようにして、この植物による中毒死を防いでいるそうです。
特に、この花を摘み取ることを禁じています。
(旧学名: Endymion non-scriptus)
絵の引用元:
Marjorie Blamey (1980). COLLINS GEM WILD FLOWERS
Harper Collins Publishers
ハンドブックの図鑑ですが、比べてみると花の密度が違います。
球根が充実すればこの様に咲くのでしょうか。
個体の地域差かもしれません。
<育て方>
地植えが好ましく、鉢植えの場合は大きく深い鉢を用います(球根が潜り
ますし根も深くはりますので、小さい鉢で開花させるのは困難です)。
芽が出てから開花時期までは良く日光に当て、広葉樹が葉を広げる頃
からは半日陰や遮光下で管理します。
耐寒性はあります。
休眠中も掘り上げません(安易に掘り上げると球根の上下が判らなく
なります)。
分球で増えます。種子では発芽から2年で花を咲かせますが、近縁種との
交雑が問題となることがあります。
イングリッシュ・ブルーベルと混同されがちなスパニッシュブルーベル。
イングリッシュブルーベルと交雑しやすく、イギリスの自生地でも
遺伝子汚染が広まっています。
ただし、この植物が悪いのではありません。
(つりがねずいせん, スパニッシュブルーベル)
絵の引用元:
浅山英一(1971). 原色図譜 園芸植物 露地篇 平凡社
スパニッシュブルーベルは花のカップが浅いことがわかります。
この花は以前に本物のイングリッシュブルーベルとして入手したものです。
花の形や葯の色などはけっこう似ていますが、花色が薄く花茎も湾曲しません。
スパニッシュブルーベルとの交雑種だと思います。
問題は庭に地植えしてしまっていることです。
分球で増えますし、球根は10㎝以上深く土に潜っていて根絶が困難です。
この花を全て取り除くまでは、現在育てている本物のイングリッシュブルーベル
に近いとされるものを庭植えにはできません。
ブルーベルは実生でも簡単に増え雑草化しやすく植える場合は注意が必要です。
Hyacinthoides non-scripta
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