無料ブログはココログ

« ワイン用ぶどう `アルモノワール´ | トップページ | 彼岸花の季節。 »

2022年9月21日 (水)

寺西宗山 象嵌火箸

P9211893_2_1 Inlaid metal chopsticks for handling live charcoal

無形文化財 寺西宗山(てらにし そうざん)

「菊桐金銀流込象嵌角透火箸」

鉄地に溝を掘り、高温で溶かした金属を流し込んで嵌め込む

難しい技法が使われています。

寺西宗山さんの火箸は技術の高さもありながら、姿が美しいのが

魅力です。

P9211894_3_1 Inlaid metal chopsticks for handling live charcoal

金と銀で象嵌が施されています。

寺西宗山さんは名古屋の金工で、「流込み象嵌および鑞付け透入り

鉄袋打」の高い技術で無形文化財に指定されました。

P9211896_4_1 Inlaid metal chopsticks for handling live charcoal

流し込み象嵌文様のアップ。

溶けた金属は表面張力で丸くなり、細い溝に流し込むのは

大変難しい技術だと思います。

P9211900_5_1 Inlaid metal chopsticks for handling live charcoal

火箸の持ち手部分を側面から見た様子。

「亀甲(きっこう)透かし」になっています。

この`透かし´は熱伝導の良い金属で炭を持つ場合、空冷方式で

持ち手部分を冷やす役目をしています。

実際に透かしがある部分と無い部分とでは温度がかなり違います。

この透かしを接着する時にも「鑞付け」の技術が必要です。

P9211902_7_1 Inlaid metal chopsticks for handling live charcoal

寺西宗山「七宝流込象嵌亀甲透角火箸」

七宝文様を流込み象嵌技法で表現しています。

火箸は寺西宗山さんの作品が一番綺麗です。

右に出る人はいません。

P9211903_8_1 Inlaid metal chopsticks for handling live charcoal

七宝文様(無限に続く輪っか。吉祥文様の一つ)。

P9211905_10_1 Inlaid metal chopsticks for handling live charcoal

光りにかざすと象嵌部分が光り輝きます。

暗い茶室の中では、とても綺麗だと思います。

この火箸も持ち手部分に「透かし」が施されており、

熱くならないようになっています。

P9211906_11_1 Inlaid metal chopsticks for handling live charcoal

寺西宗山「菊桐象嵌火箸」

この火箸は上の2つと違い、断面が丸く中空の「袋打」に

なっています。

「袋打」とは金属の板を鍛造して丸め、中を空洞にする技術です。

これも炭から伝わる熱を逃がし持ち手が熱くならないように

する工夫です(鉄瓶にも袋鉉があります)。

P9211911_12_1 Inlaid metal chopsticks for handling live charcoal

象嵌部分。

菊と桐の文様です。

3組共に高い技術と芸術性を兼ね備えた火箸です。

« ワイン用ぶどう `アルモノワール´ | トップページ | 彼岸花の季節。 »

美術 art」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ワイン用ぶどう `アルモノワール´ | トップページ | 彼岸花の季節。 »

2023年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

最近のトラックバック