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2022年9月19日 (月)

古谷忠六さんの「ぐい吞み」と「大壷」 (信楽焼)

P9191882_3_1  Sake Cup Shigaraki

古谷弘(忠六)さんの信楽焼の「ぐい吞み」です。

直径は9㎝。

信楽焼を焼く燃料の「赤松」の薪の灰が陶土と化学反応を

おこして自然釉となります。

この盃は人為的に釉薬を掛けたものではありません。

P9191884_4_1 Sake Cup Shigaraki

盃の裏側。

この「ぐい吞み」は、これ1つで信楽焼の全ての表情を

見ることが出来ます。

窯の高温の炎と薪の灰がもたらす表現です。

信楽焼の代表的な色である緋色(スカーレット色)も見られます。

P9191888_6_1 Sake Cup Shigaraki

古谷忠六さんは壷作りの名人でしたが(特に大壺が見事)、

この様な小品にも名作が多くあります。

たっぷりと自然釉が掛かっています。

信楽焼の「伝統工芸士」なので窯焼きの技術の素晴らしさも

感じられます。

P9191891_7_1 Sake Cup Shigaraki

盃の底のエメラルドグリーンのビードロが美しいです。

この色は赤松の灰でないと現れません。

静かな雰囲気の良いぐい吞みだと思います。

P9191885_5_1 Sake Cup Shigaraki

忠六さんの釜印。

「忠六」さんの信楽焼を見るまでは「信楽焼」が嫌いでした。

貧乏くさく、狸ばっかり作っているイメージで、焼き物では

やはり中国や朝鮮半島には敵わないと思っていました。

初めて「忠六」さんの信楽焼を見て、その綺麗さに驚き

「信楽焼の自然釉」こそ日本が世界に見せられる焼き物だと

考えるようになりました。

P7073455_1_1 Shigaraki Large PotTsubo

古谷弘(忠六) 信楽焼 大壷。

古谷忠六さんは壷造りの名人です。

この壷は珍しく明るい色調です。

壷の口は二重口縁になっています。

茶壷用でしょうか

P7073456_2_1 Shigaraki Large PotTsubo

壷の肩から胴にかけて自然釉が流れています。

P7073458_4_1 Shigaraki Large PotTsubo

焼成するときに被った灰が土の成分と反応し釉薬となっています。

この表情が信楽焼の醍醐味で、古信楽焼の自然釉は高名な陶芸家の

神山清子さんが現代に復活させました。

P7073459_5_1 Shigaraki Large PotTsubo

窯の中で灰に埋もれた部分は黒く発色しています。

信楽焼に使われる土は古琵琶湖の土で、とてもきめが細かいの

ですが、荒い長石が混じっています。

 

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