古谷忠六さんの「ぐい吞み」 (信楽焼)
古谷弘(忠六)さんの信楽焼の「ぐい吞み」です。
直径は9㎝。
信楽焼を焼く燃料の「赤松」の薪の灰が陶土と化学反応を
おこして自然釉となります。
この盃は人為的に釉薬を掛けたものではありません。
盃の裏側。
この「ぐい吞み」は、これ1つで信楽焼の全ての表情を
見ることが出来ます。
窯の高温の炎と薪の灰がもたらす表現です。
信楽焼の代表的な色である緋色(スカーレット色)も見られます。
古谷忠六さんは壷作りの名人でしたが(特に大壺が見事)、
この様な小品にも名作が多くあります。
たっぷりと自然釉が掛かっています。
信楽焼の「伝統工芸士」なので窯焼きの技術の素晴らしさも
感じられます。
盃の底のエメラルドグリーンのビードロが美しいです。
この色は赤松の灰でないと現れません。
静かな雰囲気の良いぐい吞みだと思います。
忠六さんの釜印。
「忠六」さんの信楽焼を見るまでは「信楽焼」が嫌いでした。
貧乏くさく、狸ばっかり作っているイメージで、焼き物では
やはり中国や朝鮮半島には敵わないと思っていました。
初めて「忠六」さんの信楽焼を見て、その綺麗さに驚き
「信楽焼の自然釉」こそ日本が世界に見せられる焼き物だと
考えるようになりました。
« チランジア・ペナスコエンシスの葉焼け。 | トップページ | ワイン用ぶどう `アルモノワール´ »
「美術 art」カテゴリの記事
- ルネ・ラリック 「トーキョー」グラス,Rene Lalique 「Tokyo」(2023.09.01)
- 莨盆(煙草盆) 古伊万里・萩唐草(2023.05.13)
- 寺西宗山 象嵌火箸(2022.09.21)
- 古谷忠六さんの「ぐい吞み」 (信楽焼)(2022.09.19)
コメント