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ギンゴケは半日陰で育てます。
秋から春までは日当たりでも育ちますが、晩春からは日陰に
移動させます。
ギンゴケは都会でも見られる苔で、丈夫なイメージですが
以外と育てるのが難しいです。
道路の側溝付近に自生する様子から、東側に面する場所に
多く見られます。
大阪の平野部では南側や西側など日差しが強い場所では
見られません。
ギンゴケは濡れた状態で強い日差しを受けると、蒸れて枯れて
しまいます。
↑の写真はダンゴムシがギンゴケに一晩のうちに開けた穴です。
ギンゴケの代表的な害虫はヤスデとダンゴムシとナメクジです。
両種ともギンゴケの新芽部分を食害します。
日中はギンゴケの陰に隠れています。
苔には使える農薬はありません(農薬を散布すると葉が枯れます)。
忌避剤を使うか、害虫が上がってこない場所で栽培するようにします。
マスチック・タイムの開花時期です。
Mastic thyme 別名:スパニッシュ・マジョラム(Spanish
Marjoram)。
花が咲く時期が一番香りが強いので、マスチックタイムの剪定は
好きな作業です。
それにしても茂っています。
このままだと開花に株の力を使ってしまい弱るので、剪定
をして栄養成長に戻します。
また、剪定をしないと株が混みあう事で株が蒸れて枯れてしまいます。
乾いた地中海性気候で育つタイムにとって、梅雨の時期の様な雨は
大敵で、株の内部が乾きにくくなり枯れる原因となります。
マスチック・タイムの花です。
直径2㎜ほどの小さな花をフワフワとした花序に咲かせます。
↑剪定後のマスチック・タイム。
剪定は思い切ってバッサリといきますが、必ず葉がついている
部分の上で切ります。
葉の無いところまで枝を剪定してしまうと、その枝は枯れ込んで
しまいます。
兎に角、マスチック・タイムの剪定の一番の目的は株元の
通風を確保することにあります。
これは挿し木してまだ若い株です。
剪定をすることで枝数も増え、綺麗にまとまった株姿になります。
クマラ・プリカティリス
以前はアロエ科(Aloaceae),アロエ亜属(Alooideae)
でしたが、現在は分類が新しく変わりススキノキ科,
ツルボラン亜科,アロエ類に分類されています。
もうアロエとは呼べません。
アロエなのに棘が目立たなく、変わった姿が魅力だったのに
何だか残念です。
クマラ・プリカティリスの花。
大きさは長さ4.5㎝。
オレンジ色の部分が萼片で、そこから少し出た薄い黄緑色の部分が
花弁になります。
オシベが飛び出ています。
3頭に分頭しています。
そのまま育てると木立して大きくなるので、2年に一度春先に
根を剪定して植替えをしています。
植替えの時は水遣りを止めて葉が痩せるほど乾かすと鉢から
引き抜きやすいです。
クマラ・プリカティリスの根元の様子。
Lavandula angustifolia ‘濃紫早咲き3号’
ラベンダー(Lavender)の中でも特に「濃紫早咲き3号」という
品種が好きです。
萼の色が理想的な紫色で、少し耐暑性もあるので育てやすいです。
Lavandula angustifolia `濃紫早咲き3号´
暖地の大阪の平野部でも何とか枯らさずに株を維持しています。
西日を避け、雨除けをして栽培しています。
ある程度の大きさの鉢(釉のついていないもの)を使います。
花後の剪定をします(暖地では春の強剪定はしません)。
秋の植替えの時に根も軽く剪定をして株をリフレッシュさせます。
耐暑性が強く、暖地でも有望なコモン系ラベンダー(Lavandula
angustifolia)長崎ラベンダーです。
↑の写真は、長崎ラベンダーの中でも特に萼の色が濃い`ナイトブルー´
という品種の花穂です。
株のまとまりも良く、綺麗なラベンダーです。
Lavandula angustifolia `濃紫早咲き3号´
↑ラベンダー`濃紫早咲き3号´の花。
薄紫色の花を咲かせます。
触れると良い香りがします。
Lavandula angustifolia `濃紫早咲き3号´
ラベンダー`濃紫早咲き3号´の株姿です。
あまり綺麗に仕立てられていません、下葉が枯れ上がっていて
少し見苦しいです。
花上りも少ないのですが、枯れていないのでこれで構いません。
写真はウォレマイ・パインの側枝の新芽。
ウォレマイ・パイン(Wollemi pine)の新芽が伸びてきました。
新芽の成長は著しく、冬の間に芽を保護していた樹脂が割れると
あっという間に大きくなり硬化します。
これは恐竜時代の遺伝子の記憶で、柔らかい葉を食べられない為の
防衛手段だと思います。
ウォレマイ・パインの新芽は薄い黄緑色です。
新しい枝葉が伸びる今の時期が一番美しいです。
ウォレマイパインの主幹の頂点部分。
去年の春に樹高を抑えるために主幹の新芽を半分の長さで
折り取る「みどり摘み」を行いました。
写真はその年の冬の様子で、頂点に2つの芽が出来ている様に
見えます。
ウォレマイ・パインの現在の主幹の芽の様子。
右側に元気な主幹が1本伸びています。
その左隣に小さな緑色の芽が育ってきています。
この芽が主幹になるのか側枝になるのか、今の段階では判断が
出来ません。
A fluffy dandelion
ニホンタンポポ(たぶんカンサイタンポポ 関西の祖父母の庭で採取)
の綿毛です。
セイヨウタンポポに比べ控えめなイメージです。
種子は3個ほどが成熟して完成していますが、それ以外は`しいな´
の様です。
写真を撮った後、カメラを置いて採取に戻ると既に風に飛ばされた
後でした。
こちらは残念ながら受粉できなかった花の綿毛です。
日本の在来種の‘たんぽぽ’は自家結実しません。
蒲公英は虫媒花なので近くの別個体の花粉が運ばれてこないと
種子ができません。
授粉できなかったタンポポの花も一応綿毛を広げますが、写真の
ような形です。
タンポポは外側の花から開花します。
1輪のタンポポは多数の花の集合体(頭状花)です。
写真の花の中心部の花弁は、まだ固く閉じています。
タンポポの葉はビタミンが豊富でハーブとして使います。
薬草として漢方でも「蒲公英(ぼこうえい)」として健胃・
利胆・解熱強壮に用い、外用として傷にすり潰して使います。
食べることも出来ます。
早朝、まだ寝ているたんぽぽの花。
タンポポの花は日光が当たらなくなると閉じます。
たんぽぽ 開花2日目。
ほとんどの小花が開花しオシベを伸ばしています。
カンサイタンポポの萼片は反り返りません。
カンサイタンポポ 開花3日目。
中心部の花も開花しています。
Tillandsia atroviridipetala flower
チランジア・アトロビリディペタラに花が咲きました。
T.アトロビリディペタラも複数株が同時に開花します。
チランジアは同種の場合、開花時期が同じになる傾向が
あります。
何らかの化学物質で株同士がコミュニケーションを取り合い
開花を合わせている様です。
チランジア・アトロビリディペタラ
開花時は花序の苞葉が赤く色付きますが、周辺の葉も
少し赤くなります。
Tillandsia atroviridipetala flower
チランジア・アトロビリディペタラの花弁は緑色です。
T.アトロビリディペタラの栽培では、少し下向きに着生させて
います。
風通しを好むので、着生させて吊るして育てます。
チランジア・アトロビリディペタラには木に着生するものと
岩に着生する物があり、写真個体は木に着生するタイプです。
自生地の写真では、木漏れ日が当たるような環境で生育しています。
2本の煙管(きせる)と煙草包がありませんが、煙草盆です。
莨(たばこ)盆は、茶道具にはもう必要はありません。
莨を喫う(すう),喫する(きっする)のが粋な時代も
あったのですが現代には合いません(煙管では2~3服軽く
吸うだけのようです)。
お茶の味も台無しになりますし、なにより侘茶を大成した
千利休の時代にはまだ‘たばこ’は渡来していませんでした。
古伊万里の「火入」です。
「火入」とは中に灰を敷き詰め炭火を入れておく器の事です。
灰の盛り方や模様の付け方、炭の大きさや煙管に火を着けやすいように
炭を設置する角度など細かな約束事があります。
簡単に言うとライターです。
こちらは古伊万里の「灰落し」または「灰吹き」です。
`たばこ´を喫った後の灰を捨てる容器(灰皿)です。
底に少し水を入れておきます。
煙管の皿の上の灰を捨てるときは煙管の先をコンコンと「灰吹き」
に当てたりはしません。
当てると瀬戸物の「灰落し」と金属の煙管が傷みます。
「灰落し」が竹製の場合はコンコンとしても良いかも知れませんが、
普通は指で煙管をトントンとするか煙管を軽く吹いて灰を落とします。
「火入」「灰吹き」ともに染付(コバルト顔料)で萩唐草の
文様が丁寧に描かれています。
後代になると唐草の文様は簡略化されていきます。
Four leaves clover Trifolium repens
本物のシロツメクサの‘四つ葉のクローバー’です。
「四つ葉のクローバー栽培セット」を買って育てたものです。
10株ほど四つ葉の出る株を選別して植え替えたのですが、
結局ほとんどが四つ葉の遺伝子を持つ種子でした。
写真の株は種子の播き床で、四つ葉選別に落ちていて残されて
いた株ですが、この大きさになって初めて四つ葉が出ました。
四つ葉で選別した株です。
早速ハダニがついていました。
害虫はハダニとダンゴムシが最悪です。
ハダニはすぐに株全体に広がり葉がダメになり駆除も難しいです。
ダンゴムシは新芽を食害します。
Trifolium repens
ハダニの予防には葉水が良いとされますが、葉裏にも当てる
必要があり経験上あまり効果はありません。
半日陰で栽培管理しています。
芍薬`姫小町´の花。
開花初日で花径は約8㎝。
原種に近い品種ですが、根の薬効成分はギリギリ漢方薬に使える
程度しか含まれていません。
芍薬は江戸時代に朝鮮から日本に渡来していて、日本には
自生しません。
日本に自生するのはヤマシャクヤク(Paeonia japonica)と
ベニバナヤマシャクヤク(Paeonia obovate)だけです。
シャクヤク`姫小町´
開花2日目、より平開して花径は12㎝。
芍薬は中国では「宗」の時代頃から観賞用に栽培されていましたが、
薬用植物としても重要でした。
地下のゴボウ状の根を煎じて、頭痛・腹痛・下痢・腫れ物を
治すのに用いられました。
シャクヤクは大苗で買った場合を除き、栽培の最初の年は
摘蕾して花を咲かさないようにして根を育てます。
2年目も花の数を制限し株の成長を助けます。
写真の株も2本芽が出ましたが、花を咲かせたのは1本の1個だけで
他は側芽の蕾を含め全ての蕾を小さい内に摘み取りました。
原種に近いシャクヤクは日が当たらなくなると花を閉じます
花弁の傾性運動(開閉運動)。
花は七日間咲きました。
Athecebium 亜属 Callista 節(節のKallistos ラテン語で‘とても美しい’の意味)
Dendrobium amabile
デンドロビウム・アマビレ(旧学名 Dendrobium bronckartii)
ベトナム北部の山岳地帯(標高1,000~1,500m)に産する蘭です。
学小名(amabilis はラテン語で「愛すべき・愛されるような」の意味)
の通り`愛らしい´花を咲かせます。
自生地では冬の間も降雨が続き湿度が高いのですが、日本での
冬の栽培は乾燥気味に管理します。
Asarum kooyanum var. nipponicum `葵錦´
かんとうかんあおい(Asarum nipponicum ,Heterotropa nipponica)
の素心(花や葉柄が緑色)で葉模様の美しい物が選別され、
園芸品種となりました。
細辛`葵錦´の葉です。
Asarum kooyanum var. nipponicum `葵錦´
葉の地模様などが鑑賞の対象となります。
写真では表現できていませんが、葉は光に当てるとキラキラと
輝きます。
年に一度、春に新しい葉が出てきます。
Asarum kooyanum var. nipponicum `三保の松´
細辛`三保の松´
`葵錦´のように葉脈の模様が目立つものもあれば、`三保の松´
のように迷彩模様に見える物もあります。
地模様は何層か重なっています。
Asarum kooyanum var. nipponicum `昭和錦´
細辛`昭和錦´
`昭和錦´は葉が暗い緑色になります。
葉の数も多くなる特徴があります。
どれも4号鉢に収まるぐらいのサイズ感で、観葉植物としても
有望です(日陰にも強い)。
愛らしい小型の植物で、種類も多いのでコレクション性が高いです。
葉が完成してからの水遣りは毎日ではなく、表土が乾いたら
灌水する程度にします。
イリス・パラドクサの蕾。
開花の様子を順を追って掲載します。
蜂に擬態した花弁が出てきます。
外花被片はメス蜂のお腹の形に擬態していて、裏返ることで
完成します。
虫媒花なのでオスの蜂を引き寄せて、花粉を運んでもらいます。
内花被片には筋状の模様が入り美しいです。
西アジア原産のオンコキクルス(Oncocyclus)系アイリスです。
外花被片のアップ。
毛状突起が生えています。
<栽培>
花後は梅雨の頃、葉が緑色でも断水し鉢土ごと乾燥させて
夏越しさせます。
根茎を掘り起こしての乾燥保存も出来ますが、鉢土に
埋めたままの方が秋の回復が良好です。
鉢植えで育てます、地植えは基本的に出来ません。
秋に新芽が動き出したら水遣りを再開し成長させます。
雨除け栽培を推奨。
害虫はアブラムシに注意、バイラス病を感染させます。
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