莨盆(煙草盆) 古伊万里・萩唐草
2本の煙管(きせる)と煙草包がありませんが、煙草盆です。
莨(たばこ)盆は、茶道具にはもう必要はありません。
莨を喫う(すう),喫する(きっする)のが粋な時代も
あったのですが現代には合いません(煙管では2~3服軽く
吸うだけのようです)。
お茶の味も台無しになりますし、なにより侘茶を大成した
千利休の時代にはまだ‘たばこ’は渡来していませんでした。
古伊万里の「火入」です。
「火入」とは中に灰を敷き詰め炭火を入れておく器の事です。
灰の盛り方や模様の付け方、炭の大きさや煙管に火を着けやすいように
炭を設置する角度など細かな約束事があります。
簡単に言うとライターです。
こちらは古伊万里の「灰落し」または「灰吹き」です。
`たばこ´を喫った後の灰を捨てる容器(灰皿)です。
底に少し水を入れておきます。
煙管の皿の上の灰を捨てるときは煙管の先をコンコンと「灰吹き」
に当てたりはしません。
当てると瀬戸物の「灰落し」と金属の煙管が傷みます。
「灰落し」が竹製の場合はコンコンとしても良いかも知れませんが、
普通は指で煙管をトントンとするか煙管を軽く吹いて灰を落とします。
「火入」「灰吹き」ともに染付(コバルト顔料)で萩唐草の
文様が丁寧に描かれています。
後代になると唐草の文様は簡略化されていきます。
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