小林東五 井戸茶碗・井戸杯 Ido Tea bowl・Ido Sake cup
小林東五 ‘井戸茶碗’
小林東五さんの茶碗は綺麗です。
そもそも、きたない茶碗では誰もお茶を飲みたくありません。
世の中には、古色をつけたものや歪ませた物が茶碗として
重宝されていますが、本来は長い年月を経て備わるものです。
新品から古いなんて本末転倒です。
でも、古色づけは技法としてはありだと考えています。
形も小林東五さんの作品には「用の美」が備わっています。
茶の湯の初期の頃は、茶が飲みやすい物が選ばれて茶器になる
のですから、わざと歪(ゆが)ませる必要など無いのです。
侘び茶の大成の頃から、茶の湯用の専用の茶碗が焼かれるようになります。
その中には不完全なものの中に美を見出す日本の感性が生んだ
歪んだ茶碗も存在します。
小林東五 ‘井戸茶碗’
この「井戸茶碗」は対馬にある對州窯の焼き物で、その
源流は朝鮮半島にあります。
名品は無名の陶工が引いた無数の碗の中から見出されます。
主張や個性などは二の次でよいのです。
小林東五さんが使う「玄」とは仏教で云うところの「無」,
儒教の「虚,白」で道教の用語だそうです。
ただの土から物を作る、無から有を生み出す作陶が道教的
なのだそうです。
↑小林東五 ‘井戸茶碗’
こちらのお茶碗は少し大振りです。
小林東五 ‘井戸茶碗’
側面は直線的です。
これも土の表情がわかる程度の釉薬の掛け方です。
小林東五さんの器はどれも実用的で美しいですが、茶道具である
この2つの茶碗とも、お茶が飲みやすいです。
小林東五 ‘井戸杯’
筒型の酒杯です。
小林東五 ‘井戸杯’
先にわざと歪ませる必要はないと書きましたが、この杯は
意図的に一方に引っ張られています(写真では右側に)。
これは、お酒が飲み易いように工夫されたものです。
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