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美術 art

2023年9月 1日 (金)

ルネ・ラリック 「トーキョー」グラス,Rene Lalique 「Tokyo」

Rene Lalique(ルネ・ラリック)はアール・ヌーヴォからアール・デコ

の時代に活躍した、宝飾作家でありガラス工芸作家です。

P8252638_1_1  Rene Lalique ‘Tokyo’ model glass table ware

ルネ・ラリック 「トーキョー」グラス。

高さは約11.3㎝、水用のグラスです。

約100年前の物とは思えないシンプルで洗練されたデザインです。

P8252639_2_1 Rene Lalique `Tokyo' model glass plate design

グラスのプレート部分のデザインは真珠をモチーフとしています。

光りにとてもよく輝きます。

P8252646_6_1  Rene Lalique ‘Tokyo’ model glass table ware

水を入れた状態。

プレート部分の粒々は底面に施されていて、上面はつるつると

しています。

材質はセミクリスタル(クリスタルガラスよりも鉛の含有率が低く、

加工が容易でソーダガラスの丈夫さも併せ持ちます)。

クリスタルガラスのように鉛を含むので透明度ときらめきがあります。

鉛は通常の使用(ワインの酸など)では問題はありません。

P8252645_5_1  Rene Lalique ‘Tokyo’ model glass table ware

この粒々文様、上から見るとどう見えるのでしょうか。

グラスはルネ・ラリックの作品の中でも比較的に手が届きやすい

芸術品です。

P8252641_3_1  Rene Lalique ‘Tokyo’ model glass table ware

↑これは、水が入っていない状態。

水を入れると・・・

P8252643_4_1  Rene Lalique ‘Tokyo’ model glass table ware

↑水を入れると、この様に見えます。

少し虹のような部分も見えます。

計算してデザインされたのか、とても美しいです。

2023年5月13日 (土)

莨盆(煙草盆) 古伊万里・萩唐草

P5052327_1_1

2本の煙管(きせる)と煙草包がありませんが、煙草盆です。

莨(たばこ)盆は、茶道具にはもう必要はありません。

莨を喫う(すう),喫する(きっする)のが粋な時代も

あったのですが現代には合いません(煙管では2~3服軽く

吸うだけのようです)。

お茶の味も台無しになりますし、なにより侘茶を大成した

千利休の時代にはまだ‘たばこ’は渡来していませんでした。

P5052330_3_1

古伊万里の「火入」です。

「火入」とは中に灰を敷き詰め炭火を入れておく器の事です。

灰の盛り方や模様の付け方、炭の大きさや煙管に火を着けやすいように

炭を設置する角度など細かな約束事があります。

簡単に言うとライターです。

P5052329_2_1

こちらは古伊万里の「灰落し」または「灰吹き」です。

`たばこ´を喫った後の灰を捨てる容器(灰皿)です。

底に少し水を入れておきます。

煙管の皿の上の灰を捨てるときは煙管の先をコンコンと「灰吹き」

に当てたりはしません。

当てると瀬戸物の「灰落し」と金属の煙管が傷みます。

「灰落し」が竹製の場合はコンコンとしても良いかも知れませんが、

普通は指で煙管をトントンとするか煙管を軽く吹いて灰を落とします。

「火入」「灰吹き」ともに染付(コバルト顔料)で萩唐草の

文様が丁寧に描かれています。

後代になると唐草の文様は簡略化されていきます。

2022年9月21日 (水)

寺西宗山 象嵌火箸

P9211893_2_1 Inlaid metal chopsticks for handling live charcoal

無形文化財 寺西宗山(てらにし そうざん)

「菊桐金銀流込象嵌角透火箸」

鉄地に溝を掘り、高温で溶かした金属を流し込んで嵌め込む

難しい技法が使われています。

寺西宗山さんの火箸は技術の高さもありながら、姿が美しいのが

魅力です。

P9211894_3_1 Inlaid metal chopsticks for handling live charcoal

金と銀で象嵌が施されています。

寺西宗山さんは名古屋の金工で、「流込み象嵌および鑞付け透入り

鉄袋打」の高い技術で無形文化財に指定されました。

P9211896_4_1 Inlaid metal chopsticks for handling live charcoal

流し込み象嵌文様のアップ。

溶けた金属は表面張力で丸くなり、細い溝に流し込むのは

大変難しい技術だと思います。

P9211900_5_1 Inlaid metal chopsticks for handling live charcoal

火箸の持ち手部分を側面から見た様子。

「亀甲(きっこう)透かし」になっています。

この`透かし´は熱伝導の良い金属で炭を持つ場合、空冷方式で

持ち手部分を冷やす役目をしています。

実際に透かしがある部分と無い部分とでは温度がかなり違います。

この透かしを接着する時にも「鑞付け」の技術が必要です。

P9211902_7_1 Inlaid metal chopsticks for handling live charcoal

寺西宗山「七宝流込象嵌亀甲透角火箸」

七宝文様を流込み象嵌技法で表現しています。

火箸は寺西宗山さんの作品が一番綺麗です。

右に出る人はいません。

P9211903_8_1 Inlaid metal chopsticks for handling live charcoal

七宝文様(無限に続く輪っか。吉祥文様の一つ)。

P9211905_10_1 Inlaid metal chopsticks for handling live charcoal

光りにかざすと象嵌部分が光り輝きます。

暗い茶室の中では、とても綺麗だと思います。

この火箸も持ち手部分に「透かし」が施されており、

熱くならないようになっています。

P9211906_11_1 Inlaid metal chopsticks for handling live charcoal

寺西宗山「菊桐象嵌火箸」

この火箸は上の2つと違い、断面が丸く中空の「袋打」に

なっています。

「袋打」とは金属の板を鍛造して丸め、中を空洞にする技術です。

これも炭から伝わる熱を逃がし持ち手が熱くならないように

する工夫です(鉄瓶にも袋鉉があります)。

P9211911_12_1 Inlaid metal chopsticks for handling live charcoal

象嵌部分。

菊と桐の文様です。

3組共に高い技術と芸術性を兼ね備えた火箸です。

2022年9月19日 (月)

古谷忠六さんの「ぐい吞み」 (信楽焼)

P9191882_3_1  Sake Cup

古谷弘(忠六)さんの信楽焼の「ぐい吞み」です。

直径は9㎝。

信楽焼を焼く燃料の「赤松」の薪の灰が陶土と化学反応を

おこして自然釉となります。

この盃は人為的に釉薬を掛けたものではありません。

P9191884_4_1 Sake Cup

盃の裏側。

この「ぐい吞み」は、これ1つで信楽焼の全ての表情を

見ることが出来ます。

窯の高温の炎と薪の灰がもたらす表現です。

信楽焼の代表的な色である緋色(スカーレット色)も見られます。

P9191888_6_1 Sake Cup

古谷忠六さんは壷作りの名人でしたが(特に大壺が見事)、

この様な小品にも名作が多くあります。

たっぷりと自然釉が掛かっています。

信楽焼の「伝統工芸士」なので窯焼きの技術の素晴らしさも

感じられます。

P9191891_7_1 Sake Cup

盃の底のエメラルドグリーンのビードロが美しいです。

この色は赤松の灰でないと現れません。

静かな雰囲気の良いぐい吞みだと思います。

P9191885_5_1 Sake Cup

忠六さんの釜印。

「忠六」さんの信楽焼を見るまでは「信楽焼」が嫌いでした。

貧乏くさく、狸ばっかり作っているイメージで、焼き物では

やはり中国や朝鮮半島には敵わないと思っていました。

初めて「忠六」さんの信楽焼を見て、その綺麗さに驚き

「信楽焼の自然釉」こそ日本が世界に見せられる焼き物だと

考えるようになりました。

 

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