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ソテツ類 Cycadaceae

2024年12月28日 (土)

Macrozamia macdonnellii マクロザミア・マクドンネリーの実生に挑戦。

P7283521_3_1 Seed of Macrozamia macdonnellii

↑マクロザミア・マクドンネリー(マクドネル山脈ソテツ)の種子。

過酷な環境に自生するため、親株はずいぶんと大きなお弁当を持たせて

子を送り出すようです。

奇跡的にマクロザミア・マクドンネリーの種子を入手できたので

実生します。

種子に点々がついている方が後ろで、芽は反対側から出ます。

発芽する方の先端を用土に埋め込むようにします。

マクロザミアの種子は大きく、種子の中で胚が成長するまで

発芽しません。

気長に付き合う必要があります。

発芽適温は25℃程度。

吸水させる催芽処理が必要です。

湿った用土に埋めておくのが一般的ですが、海外の種子販売サイト

には3週間に1度一晩中水に漬けるという方法が購入者のコメントに

書いてありましたが、どうなんでしょうか。

用土は清潔な山野草用のもの(腐植質や肥料は要りません、カビて失敗の

原因になります)

鉢は駄温鉢を使用。

発芽するまでは遮光下で管理します(種子に直射光が当たると蒸れて

腐る可能性があります)。

P9263581_1_1 Macrozamia macdonnellii

7月28日に土に埋めたマクロザミア・マクドンネリーの種子が

9月26日に発芽を始めました。

約2ヶ月で発芽なので、結構早いと思います。

普通は種子の殻が真っ二つに割れて芽が出てくると思うじゃない

ですか(ソテツの仲間はそういうのが一般的です)、でもマクロザミア

の場合は種子に扉があって、それが外側に開くのです。

その扉から根が出て芽が育つのですが、発芽扉の開き方が

まるで宇宙船です。

合理的・芸術的な殻の開き方です。

発芽したら徐々に日光に慣らします(遮光下では葉が徒長します)。

P9293584_1_1 Macrozamia macdonnellii

9月29日

発芽すると成長が早いです。

7㎜ほど芽(根)が出てきています(写真は土を退かして発芽点を露出

させています)。

Pa053604_2_1   Macrozamia macdonnellii

↑順調に下に向かって成長しています。

Pa153612_5_1 Macrozamia macdonnellii

10月15日

↑少し用土をどけて生育状況を観察。

茶色の根か地下茎が下に伸びています。

Pb073628_2_1  Macrozamia macdonnellii

↑11月7日 室内に移して管理しています。

鉢底穴から根が出ています(鉢が小さいので植替えが必要かも)。

土の中では根が6㎝以上伸びています。

未だ葉は出てきていません。

Pb183646_1_1  Macrozamia macdonnellii

↑11月18日 根の部分に謎の器官を発見。

写真は用土を掘り、根を露出させています。

これが、サンゴ根(シアノバクテリアが共生する根の部分)になるの

でしょうか。

Pc013678_1_1  Macrozamia macdonnellii

↑12月1日 植替えのために掘り上げました。

主根(紡錘根)から細い根も出ていました。

主根の長さは約10㎝。

主根の先端部分は鉢の底に当たり曲がっていました。

まだ葉は出てきません。

乾燥地帯では、葉を展開すると蒸散で水分を失うリスクが

高くなるので、貯蔵根に充分な水と養分を蓄えるまで葉を

出さないのは理にかなっています。

Pc283706_1_1 Macrozamia macdonnellii

↑12月28日

芽が出てから約3ヶ月経ちますが、まだ葉が出てきません。

茎が割れて、中から葉が出てくるそうです。

 最後に、マクロザミア・マクドンネリーは大型の植物です。

人気はあれど、大変場所をとる植物なので広い場所が無ければ

いづれ栽培し続けられない状態に陥ります。

<法令関係:令和6年現在>

マクロザミア・マクドンネリー(Macrozamia macdonnellii)は

ワシントン条約付属書Ⅱにフロリダソテツ科‘ZAMIACEAE(ザミア科)全種’

付属書Ⅰに掲げる種を除く、として記載されています。

付属書Ⅱは、「現在は必ずしも絶滅のおそれはないが、国際取引を規制

しなければ絶滅のおそれがあるもの」です。

商業目的の取引が可能で、輸出国の発行する輸出許可書があれば

輸入が可能です。

日本の「種の保存法」には国際希少野生動植物種として記載されておらず、

個体登録の必要はありません。自由に販売・譲渡ができます。

2024年8月 7日 (水)

サイカス・カイルンシアナ 矮性個体

P8023536_2_1 Cycas cairnsiana dwarf form

サイカス・カイルンシアナ ドワーフフォーム

葉は成長しても15cm程度です。

P7293523_2_1 Cycas cairnsiana dwarf form

今年も葉が出てきましたが、毎年1枚か2枚です。

P8023537_3_1 Cycas cairnsiana

↑サイカス・カイルンシアナの茎。

もともとの自生地が熱帯ほどの気温なので、冬がある日本での

生育はとても遅いです。

この個体は矮性個体なので、さらに成長が遅いです。

というか、ほとんど成長しません。

 オーストラリアには45種ほどのソテツ類が存在します。

サイカス・カイルンシアナはクイーンズランド州などに自生し

青い葉がとても美しいです。

 

2024年8月 5日 (月)

ソテツの新芽が出てこない。

P8053539_5_1 Cycas revoluta dwarf form ,Golden cycas

矮性の黄金ソテツに今年は新芽が出てきません。

暑すぎるのか、根詰まりしているのか原因は分かりませんが、

何らかのストレスで新しい葉が出てこないようです。

去年の古い葉が、少し黄色く発色しています。

通常、古い葉を切って落とさなくても葉は出ます。

P8053540_6_1 Cycas revoluta 

ソテツシジミ蝶の幼虫の食害に遭ったのかな?とも

思いましたが成長点に異常はないようです。

8月に入ってから葉が出てきたという事もあるらしいです。

P8053541_7_1 Cycas revoluta 

↑黄金ソテツの幹の様子。

成長は順調のようです。

普通のソテツはとても大きくなるので、小型の株を育てています。

黄金ソテツの発色要因には日照時間や気温が関係しています。

今年は猛暑で日差しが十分だったので期待しています。

2024年7月27日 (土)

Encephalartos horridus

P7263514_4_1 Encephalartos horridus dwarf form

炎天下のエンセファラルトス・ホリダス ドワーフ

(エンケファラルトス・ホリダス,ヒメオニソテツ)。

種小名の‘horrida’はラテン語で棘だらけという意味です。

P7263512_3_1 Encephalartos horridus dwarf form

↑水を貯めてパンパンの状態の地上茎です。

夏の水やり間隔は1週間に1度ぐらいです。

冬の間はほとんど水やりしません。

地上茎を観察していると、しぼんでくるのでいつ水を遣ればよいか

判断できます。

ただし葉を切ったりしていて地上茎を被う鱗片葉や葉柄基部が

枯れてミイラ状になっている場合は、この変化を観察できません。

P7263515_5_1 Encephalartos horridus dwarf form

写真の幹は満水状態です。

葉の数が多くなったので、順調に育ってくれています。

写真に写っている葉柄の数だけでも、葉は15本あります。

P7263516_6_1 Encephalartos horridus dwarf form

地上茎の直径は約9㎝になりました。

 パリのオリンピックの聖火台は、モンゴルフィエの熱気球

でしたね。

2024年6月14日 (金)

E.プリンセプスに4年ぶりの新芽。 Encephalartos princeps

P6143355_3_1 new leaves of Encephalartos princeps

エンセファラルトス・プリンセプス

前回、葉を出したのは2020年でした。

今年2024年に4年ぶりに新しい葉を出してきました。

P6143356_4_1 Encephalartos princeps

葉は4本出てきています。

エンセファラルトス・プリンセプスは毎年新芽を出しません。

古い葉を全て切ると出てきますが、生育が悪くなります。

しかし、葉を全て切ると短い葉が出てきます。

世の中で売られているドワーフタイプは、ほとんどがこの

方法で短い葉を出させたものです。

P6143358_5_1 Encephalartos princeps

エンセファラルトス・プリンセプスの地上茎。

この株は葉が自然に枯れるまで切っていません。

エンセファラルトス・プリンセプスの葉も7年間ぐらいは

現役で光合成をします。

葉数が多い方が地上茎の成長も早くなります。

写真の株も直径が10㎝を超えています。

P6143359_6_1 Encephalartos princeps

エンセファラルトス・プリンセプスの地上茎の鱗片の様子。

大気汚染の影響で黒ずんでいます。

成長点付近のアイボリー色が本来の幹の色です。

2023年11月10日 (金)

Encephalartos princeps の葉が一枚枯れる。

Pb042873_5_1 Encephalartos princeps leaf

エンセファラルトス・プリンセプスの葉が1枚枯れました。

葉柄を含めた長さが25㎝ぐらいで、買った時に着いていた葉です。

当時はドワーフタイプだと信じていました。

今は大きな葉を広げています。

このエンセファラルトス・プリンセプスは3年ぐらいの間、新しい葉を

出していません。

Pb042874_6_1 Encephalartos princeps

エンセファラルトス・プリンセプスの地上茎(幹)です。

直径は約11㎝。

幹は順調に成長しています。

幹の頂点に新芽が出るスペースが空いてきているのに、葉が

出てきません。

古い葉を全て切ると新しい葉が出てくるのでしょうが、そんな

事をすると葉がもったいないです。

エンセファラルトスにとって葉は財産です。

Pb042875_7_1 Encephalartos princeps

鉢土の表土が盛り上がってきています。

地下の紡錘形の貯蔵根が大きくなっている証拠です。

掘り上げて見てみたいような気がします。

地上に露出している根は‘サンゴ根’と呼ばれているものが多く

地表に出ているのが自然な状態です。

ソテツの`サンゴ根´にはシアノバクテリアが共生していて

光合成を行っています。

Pb082893_2_1 Encephalartos princeps

 

2023年10月31日 (火)

エンセファラルトスの葉を切る弊害④

Pa282842_3_1 Encephalartos horridus

エンセファラルトス・ホリダスはこれぐらい葉を茂らせないと

本来の姿・魅力が出ません。

葉が2~3枚しかついていない株はみすぼらしいです。

どんなに格好の良い鉢に植えられたとしても変です。

葉が少ないものが売られているのは、輸入時の植物検疫のために

害虫が着かないように減らされているだけです(抜き苗のため

葉からの蒸散で弱らせないためでもある)。

それを本当の育て方だと思い、毎年葉を切ってしまうのは間違いです。

盆栽ならばいざ知らず、エンセファラルトス・ホリダスは古い

葉(枯れている葉は取り除きます)を切る必要はありません。

2023年10月20日 (金)

Encephalartos horridus の新葉。

Pa192801_1_1 Encephalartos horridus leaves

エンセファラルトス・ホリダスの新しい葉4枚が完成に

近づいています。

心配していた徒長もなく、綺麗に展開してくれました。

葉は、だいたい芽が出てきてから1ヵ月で完成します。

Pa192802_2_1 Encephalartos horridus leaves

ここまで葉を増やすのに5年以上かかりました。

葉が多い方が地上茎の成長が早くなるので有利です。

めざせ幹径10㎝オーバー。

Pa202815_1_1  Encephalartos horridus leaf

エンセファラルトス・ホリダスの小葉。

大きさは長さが標準で7から8㎝で先端が棘状です。

Pa202816_2_1 Encephalartos horridus leaf

エンセファラルトス・ホリダスの小葉はふつう3裂して捻じれて

3方を向きます。

三次元的な棘の防御葉になります。

Pa202819_5_1 Encephalartos horridus leaves

名は体を表すように種小名の`horrida´はラテン語で「棘だらけ」を

意味します。

棘は鋭く、うかつに触ると刺さります。

小葉は少し内側に丸まることで曲がりに対する強度を増しています。

2023年10月 5日 (木)

エンセファラルトス・ホリダスの新しい葉は4枚でした。

Pa042775_7_1 Encephalartos horridus new leaves

エンセファラルトス・ホリダスが4枚の新しい葉を出しました。

この株では新記録です。

株が大きくなるにつれ、新しく展開する葉の数が増えます。

規則正しく並ぶ小葉が綺麗です。

Pa042777_9_1 Encephalartos horridus new leaves

それにしても刺々しいです。

この個体は2013年に購入したものなので、10年育てて

ようやくレベルアップしました。

Pa042778_10_1 Encephalartos horridus new leaves

上から見た様子。

秋に出た葉なので、日照不足で小葉の間隔の空いた‘間延び’した

葉にならないか心配です。

2023年9月27日 (水)

Encephalartos horridus の 新芽。

P9262745_1_1 Encephalartos horridus new leaves

この抱き合った毛虫のようなものがエンセファラルトス・ホリダスの

新しい葉です。

新芽が出始めて5日間で4㎝ほどの大きさに成長します。

P9262746_2_1 Encephalartos horridus new leaves

新芽を上から見た様子。

種小名の「horridus」(horrida はラテン語で‘棘だらけ’の意味)

が現すように新芽も棘だらけです。

この時点では、まだ棘は柔らかく痛くないです。

成葉になると葉の一部が変化した棘は固くなり、触れると突き

刺さります。

P9272747_3_1 Encephalartos horridus new leaves

3枚ぐらいの葉が確認できます。

エンセファラルトス・ホリダスの葉は7年間ぐらいは健全に

光合成をしてくれるので、葉が多い方が地上茎の太りが

早くなります。

葉は完全に枯れるまでは絶対に切りません。

P9272748_4_1 Encephalartos horridus new leaves

新しい葉が出てくる前に古い葉が後退して、新芽のスペースを

開けます。

地上茎を覆う葉の無い鱗片は何なのでしょうか。

先端には葉の原型のような痕跡があります。

その時々の状況で、葉に成長させるものと鱗片だけにするものが

分かれているようです。

 

 

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