Macrozamia macdonnellii マクロザミア・マクドンネリーの実生に挑戦。
Seed of Macrozamia macdonnellii
↑マクロザミア・マクドンネリー(マクドネル山脈ソテツ)の種子。
過酷な環境に自生するため、親株はずいぶんと大きなお弁当を持たせて
子を送り出すようです。
奇跡的にマクロザミア・マクドンネリーの種子を入手できたので
実生します。
種子に点々がついている方が後ろで、芽は反対側から出ます。
発芽する方の先端を用土に埋め込むようにします。
マクロザミアの種子は大きく、種子の中で胚が成長するまで
発芽しません。
気長に付き合う必要があります。
発芽適温は25℃程度。
吸水させる催芽処理が必要です。
湿った用土に埋めておくのが一般的ですが、海外の種子販売サイト
には3週間に1度一晩中水に漬けるという方法が購入者のコメントに
書いてありましたが、どうなんでしょうか。
用土は清潔な山野草用のもの(腐植質や肥料は要りません、カビて失敗の
原因になります)
鉢は駄温鉢を使用。
発芽するまでは遮光下で管理します(種子に直射光が当たると蒸れて
腐る可能性があります)。
7月28日に土に埋めたマクロザミア・マクドンネリーの種子が
9月26日に発芽を始めました。
約2ヶ月で発芽なので、結構早いと思います。
普通は種子の殻が真っ二つに割れて芽が出てくると思うじゃない
ですか(ソテツの仲間はそういうのが一般的です)、でもマクロザミア
の場合は種子に扉があって、それが外側に開くのです。
その扉から根が出て芽が育つのですが、発芽扉の開き方が
まるで宇宙船です。
合理的・芸術的な殻の開き方です。
発芽したら徐々に日光に慣らします(遮光下では葉が徒長します)。
9月29日
発芽すると成長が早いです。
7㎜ほど芽(根)が出てきています(写真は土を退かして発芽点を露出
させています)。
↑順調に下に向かって成長しています。
10月15日
↑少し用土をどけて生育状況を観察。
茶色の根か地下茎が下に伸びています。
↑11月7日 室内に移して管理しています。
鉢底穴から根が出ています(鉢が小さいので植替えが必要かも)。
土の中では根が6㎝以上伸びています。
未だ葉は出てきていません。
↑11月18日 根の部分に謎の器官を発見。
写真は用土を掘り、根を露出させています。
これが、サンゴ根(シアノバクテリアが共生する根の部分)になるの
でしょうか。
↑12月1日 植替えのために掘り上げました。
主根(紡錘根)から細い根も出ていました。
主根の長さは約10㎝。
主根の先端部分は鉢の底に当たり曲がっていました。
まだ葉は出てきません。
乾燥地帯では、葉を展開すると蒸散で水分を失うリスクが
高くなるので、貯蔵根に充分な水と養分を蓄えるまで葉を
出さないのは理にかなっています。
↑12月28日
芽が出てから約3ヶ月経ちますが、まだ葉が出てきません。
茎が割れて、中から葉が出てくるそうです。
最後に、マクロザミア・マクドンネリーは大型の植物です。
人気はあれど、大変場所をとる植物なので広い場所が無ければ
いづれ栽培し続けられない状態に陥ります。
<法令関係:令和6年現在>
マクロザミア・マクドンネリー(Macrozamia macdonnellii)は
ワシントン条約付属書Ⅱにフロリダソテツ科‘ZAMIACEAE(ザミア科)全種’
付属書Ⅰに掲げる種を除く、として記載されています。
付属書Ⅱは、「現在は必ずしも絶滅のおそれはないが、国際取引を規制
しなければ絶滅のおそれがあるもの」です。
商業目的の取引が可能で、輸出国の発行する輸出許可書があれば
輸入が可能です。
日本の「種の保存法」には国際希少野生動植物種として記載されておらず、
個体登録の必要はありません。自由に販売・譲渡ができます。
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